蓄膿症(副鼻腔炎)の市販薬と漢方と処方薬 種類と効果は?
蓄膿症(副鼻腔炎)に関する薬には大きく3つに分かれます。 それは市販薬と耳鼻科で処方されるものと、そして漢方薬です。
ここでは市販薬にどんな種類があり、どの程度の効果があるのか、そして漢方と耳鼻科の処方薬にはどのような種類のもがあるのかについてご紹介します。
2つの市販薬と民間薬
【市販薬】
まず市販薬についてですが、テレビでも宣伝されているチクナイン(小林製薬)とベルエムピL錠(クラシエ漢方)というのがあります。
二つとも蓄膿症用の漢方薬が元となっています。
チクナインは実は9種の生薬からなる「辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)」という漢方薬を元にしています。 効能は鼻づまりの改善、炎症と膿の発生を抑え、呼吸を楽にすることです。
どんな人向けかと言うと体力が中等度以上で、濃い鼻汁が出て、ときに熱感を伴う時だとパッケージには書かれています。
ベルエムピL錠は「荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)」という漢方が元になっていて、蓄膿症、慢性鼻炎、慢性扁桃炎、にきびに効能があります。
体力が中等度以上で、皮膚の色が浅黒く、ときに手足の裏に脂汗をかきやすいタイプの人向けのようです。
【民間薬】
市販薬とは違いますが、民間薬として昔から伝わっているものに「なた豆茶」というのがあります。 別名、膿取り茶とも呼ばれます。
軽い急性副鼻腔炎であったらこれで治ることもあると思います。 味はおいしくはないけど、めちゃくちゃ飲みにくいという程でもありません。
(関連記事:なた豆茶で蓄膿症を改善 膿取りの効果が高い )
市販薬の効き目
先に蓄膿症の市販薬は漢方薬が元になっていると言いましたが、それは漢方薬とどう違うのかについてご紹介します。
市販薬というのは医師の処方箋がなくても購入できる便利さと、大きな副作用の可能性が低いという利点があります。
そのかわりに、効き目は低いものなのです。
どうして効き目が低いのかと言いますと、市販の漢方薬は生薬からの抽出物が50%以上であればよいことになっていますが、これに対して医療用の漢方薬は原料の生薬から抽出されたものだけを使うことになっているのです。
漢方薬の種類
蓄膿症の漢方薬として代表的なものには「小青竜湯(しょうせいりゅうとう)」や、先に紹介した市販薬の元である「辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)」、「荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)」などがあります。
ただ、漢方薬局に相談すると実際には上記とはまた別なものが勧めらることもあるでしょう。
漢方薬は患者さんの症状(鼻づまり、膿、痰、炎症など)や体熱、体力、年齢など、個人的な状態に応じて処方されるものです。
市販薬と比べて生薬の力がありますからより効果的です。 慢性化する前に飲めば、漢方薬だけで治ることもあります。
耳鼻科から処方される薬
耳鼻科でお医者さんから処方される薬にはいくつかの種類がありますが、よく使われるのは次の3つの鎮痛剤、抗菌薬(抗生物質)、去痰薬です。
【鎮痛剤】
鎮痛剤は発熱や痛みのある方に対して処方されるものです。 これは蓄膿症を治すためというよりは痛みで困っている方に一時的に出されるものです。
薬で痛みが収まる時はいいのですが、酷い場合には鎮痛剤を飲み続けても痛みが引かないことがあります。
そんな時は自分でできる痛み軽減法を行ってみると、案外こちらのほうが効くことがあります。(関連記事:蓄膿症による頭痛・顔面痛の特徴と5つの緩和法 )
【抗菌薬】
蓄膿症(副鼻腔炎)の原因はウイルスや細菌で、それが感染して炎症が起こっていると考えられるので菌を殺すための抗菌薬が治療の主流になっています。
(関連記事:蓄膿症(副鼻腔炎)に抗生物質は効かない それマジ? )
【去痰薬】
そして次によく出されるのが去痰薬です。
これは膿の粘度を弱くする作用があって、それで副鼻腔に溜まった膿が排泄されやすいようにします。
有名なものには「ムコダイン」というのがあり、中耳炎や風邪、気管支炎などにも使われます。
蓄膿症の人には抗菌薬と去痰薬はよく一緒に処方されます。 この二つの名前を聞くとなんだか治りそうな感じがしますが、実際には治る人と慢性化する人に別れます。
一旦、蓄膿症が慢性化すると通院だけが長くなり、薬をもらい続けることになることが多くなります。
慢性化した蓄膿症を改善するには、薬だけでなく、日々の食事などで免疫力を上げている自助努力も大切です。
(関連記事:蓄膿症を治すには 自然治癒力をこう使えば効く! )
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