蓄膿症(副鼻腔炎)に抗生物質は効かない それマジ?
蓄膿症(急性・慢性の副鼻腔炎)の治療に使われるものに抗生物質があります。
内服薬に使われ、それからネブライザーで使う薬液の中にも使われます。
しかし、この抗生物質がアメリカのワシントン大学の研究によって、なんと「効果が無い」ということが立証されたのです。
抗生物質の研究によると
研究は急性単純性副鼻腔炎の成人患者166人を対象にして行われました。
患者を2つのグループに分けて、一方にはアモキシシリンというよく使われる抗生物質を与え、もう一方には偽薬(プラシーボ)が与えられました。
患者の症状は鼻水などが7日~28日間続いており、症状の程度は中度、重度、極めて重度の3タイプに分かれていました。
実験の結果は驚くべきもので、アモキシシリンを与えられたグループのほうが回復が早まったり症状が軽くなったとうことはなかったのです。
また、偽薬のグループとの比較では、著しい違いは確認できなかったそうです。
研究グループは、この実験の結果として次のように語りました。
「基本的な急性副鼻腔炎では抗生物質が必ずしも効果的ではないことを示している。ほとんどの患者は自力で回復する」 |
米国医師会雑誌 (Journal of the American Medical Associa-tion)に発表(2012年2月15日)。
抗生物質は多くの病気の治療に使われています。それを全否定するわけではありません。
例えば、ペニシリンによって梅毒をはじめいくつかの病気が治されました。
しかし、効かない病気があることも、実はだいぶ前から言われていたことなのです。
耳鼻科の先生にはこの事実を受け入れて、無駄な治療は一刻も早く患者さんのために止めて欲しいと思います。
(関連記事:蓄膿症の市販薬には何があるか そして効き目は? )
慢性副鼻腔炎(蓄膿症)を治すには
ところで、この研究はあくまで急性副鼻腔炎を対象としたものでした。 そしてそれは自力で回復できるとのことでした。
それでは、やはり慢性副鼻腔炎(蓄膿症)は自力で回復はできないのか? という疑問が出てきます。
確かにほおっておけば治るというものではありませんが、しかし、解決の糸口もこの研究から見えてきます。
自ずと治った方とそうでない方には違いがあって、それが治るか治らないかの明暗を分けたのでしょう。 その違いとは「自然治癒力」だと私は考えています。
私が指導している蓄膿症の改善法では免疫力の向上を治療の柱の一つにしていますが、幸いよい結果を得ています。
西洋医学も人が元々備えている自然治癒力に着目し、それを活かす方向で新たな治療法を確立して欲しいと願っています。
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